散歩するように生きる

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香箱蟹でカニ面を作る

この季節のニュースはカニ漁解禁

 私の住む北陸では、11月になるとカニ漁解禁日というのがあり、地元では大きいニュースとなります。今年は11月6日でしたが、当日の天候不良で、3日遅れとなりました。待ちくたびれた地元民が市場に溢れるというニュースが報道されました。私もやはり無関心ではいられません。市場にカニが並んだ次の日にスーパーで、メスのズワイガニの香箱蟹を2はい早速買ってきました。2はいで1800円でした。カニは夫が茹でてくれました。実は生のカニを茹でるのはちょっと苦手です。。。茹でたものも売っていますが、やはり自分で茹でた方が格段に美味しいです。

   

香箱蟹

 こちらでは、メスのズワイガニを香箱と呼びます。ちょっと上品な呼び方で好きです。この土地に来てから、最初は大きいズワイガニを市場で買ってきて、夫の母などが滞在する年末などに食べていました。しかし香箱に慣れてくると、ちょうど食べきりサイズで、しかも内子と外子がいっぱい詰まっている美味しさに、ここ数年は香箱蟹以外はあまり買わなくなりました。香箱蟹は年内しか漁ができません。しかもこの土地は、年末に向けてどんどん天候が悪くなるため、漁に出られない日も増えます。それだけに、「今しか食べられない感」で盛り上がります。観光客も、市場や食べさせてくれるお店に多く集まるようです。

カニ面おでん

 茹でた香箱はそのまま食べても美味しいですが、「カニ面」に仕立てると美味しさが増します。地元の方に聞くと、昔は香箱は別にそれほどの価値がなく安く、おやつに食べていたという話でした。おでんに入れるのがこの辺の一般的な方法です。私も毎年「カニ面」に仕立てて、おでんを作っています。今年も、まずは寒さが進んだ夜にふさわしいおでんを作りました。赤巻きかまぼこを入れるのも、このあたりの特徴です。

  

カニ面とは

 「カニ面」とは、香箱の甲羅に内子や外子、そして身を詰めたものを指します。カニ面というのがあることは以前から知っていましたが、どんな風に作るのかがずっと謎でした。というのは、香箱は小さく脚も細いので、包丁で身を出すのが素人にはとてもできません。最近はネットでも紹介されるようになってきましたが、数年前まではそれもなく、試行錯誤しては失敗していました。それがある時、割烹の女将さんが、麺棒のようなものを使って蟹の脚から身を押し出している映像をテレビで見て、これか!とようやくわかり、自分でもやってみて、きれいなカニ面を作ることができるようになりました。

カニ面の作り方

 カニ面の作り方の覚え書きです。まずカニをバラバラにして、甲羅も外して、内子や外子も別々に分けます。カニフォークで、身を掻き出します。

   

 そして、カニの脚から、すりこぎを使って体重をかけて身を押し出します。カニの脚は端っこが細くなっていて、押し出す際に引っかかると身が崩れてしまうので、端を少し切って、押し出しやすくしておくことがポイントです。うまく出てくる時もありますが、身がほぐれてしまうこともあり、ちょっと苦労します。

   

 最後に、内子や外子、カニ味噌も詰めた甲羅の上に、押し出した身を飾ります。おでんに入れるときは、煮込むうちに身が外に浮き上がってしまわないように、出し汁に片栗粉をといたもので、身を少し止めておきます。これで出来上がりです。ここまでで結構時間がかかります。すっかり煮込んだおでんに、最後にカニ面を入れます。そんなに煮込まない方が美味しいです。

   

仕上げは甲羅酒

 暖かくしておでんをいただいた後は、カニ面の甲羅にお酒を入れて、甲羅酒で仕上げをします。今回は「黒帯」の小瓶を買ってきて、カニ面に注ぎました。美味しかったです!

  

 香箱は季節限定のご馳走なので、12月末までにあと何回いただけるかな。。という感じです。お客様に振る舞う予定がある時には、当日香箱が買えるとは限らないので、事前に買ってカニ面を作って冷凍しておきます。おでんだけでなく、カニクリームソースで煮込んで、洋風にしてもとても美味しいです。

 

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