散歩するように生きる

リタイア後の日々の暮らしと趣味と日本語教育のこと

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被災した受験生を思う

 ちょうど大地震が起こったこの時期は、実は受験生にとっても大詰めの時期です。特に大学受験生には、大学入学共通テストが待ち構えています。被災地の受験生にとって、どれほどの打撃だろうと思うと、心が痛みます。

地震その後

 能登半島は、北部の半島部分の「能登」地域と南部の根元にあたる「加賀」地域に分かれます。今回の地震は全体が大きく揺れましたが、「加賀」地域はそこまで大変な状況にならずに済んでいる一方で、能登地域はまさに壊滅的な状況になっており、あたり一帯、家が潰れてしまっている映像を見ると言葉を失うばかりです。

 能登地域には珠洲や輪島があり、また七尾の近くには和倉温泉があります。有名な「加賀屋」も和倉温泉にある旅館の一つです。広々とした海が見える温泉はとても気持ちがよく、私たちもよく行きました。この和倉温泉も大きい被害を受けたようで、本当に悲しいです。

 美味しいお酒に新鮮な海産物、これが戻ってくるのはいつなのか。。。コロナ禍をようやく乗り越えたばかりだった観光地の苦難は、想像を絶する思いです。

地震と大学受験

 今日は1月の5日です。まだまだ地震の影響はおさまりません。能登半島の地形との関係で、道路の状況が悪く、支援が行き届いていないとの報道がされています。

 私は外国の子どもたちの学習サポートをするボランティアを続けていますが、この学習に参加していた生徒の中にも能登の高校生が2人います。2人とも大学受験を控えています。

 実は来週末は、大学入学共通テストが行われます。1月3日に文科大臣と大学入試センターの理事長がメッセージを発表しました。

www.mext.go.jp

 これらのメッセージによると、1月13日(土)と14日(日)には予定通りの試験が行われますが、1月27日(土)と28日(日)の追試験は、被災した生徒が受けやすい場所で行われるとのことです。

 大学入学共通テストは、受験する大学の教職員にとっても非常に緊張する大事な行事であり、私自身も在職中は、一年で一番大変な業務の一つだと思っていました。今回、通常試験と、さらに追試験の運営もしなければならない大学にとっては、まさに試練と言うべき状況だと思いますが、ここまでずっと努力してきて、もう受験準備の最終局面に入ったところで、このような大きい災害にあった高校生のことを考えると、何とか影響が最小限で済むような形で試験ができるといいと思います。

あきらめないでほしい

 コロナ禍の時にも言われたことですが、外国人の住民にとって、重要な情報がうまく得られずに、必要な支援を受けられないでいることがよくあります。私のゼミ生の卒論の調査では、日本語がかなり堪能な外国人ですら、情報を得にくいことがある、という結果が出ました。

 今回の大学受験も同じことが言えると思います。大学入学共通テストを受けようとしている高校生ですから、外国人といっても、かなり日本語も日本の事情にも通じている生徒たちです。周囲の先生たちも懸命に支援すると思います。しかしやはり、思わぬところで情報が不足していたりすることがあります。今回、そのために大学進学をあきらめるようなことにならないように、周りが協力して情報収集をする必要があると考えています。経済的な打撃を受けている家族にとって、子どもを大学に進学させるのは大変かもしれません。しかし、「り災証明書」があれば、何らかの特別措置が受けられることもあります。このようなことを知らずにあきらめてしまうことがないように、情報収集に努めたいと思っています。

一刻も早い支援が届くように

 ここ数日は、この時期にしては比較的暖かく、天気も穏やかでした。しかし明日以降は雪が降るという予報もあります。家がない状態で大雪になったら、それこそもうどうしようもありません。一刻でも早い支援が届き、復興が進むようにと祈るばかりです。

 

 

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