散歩するように生きる

リタイア後の日々の暮らしと趣味と日本語教育のこと

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ボランティア団体を法人にする:その1 決意まで

 このところ、実家の母の様子を見に行ったり、慌ただしくしていましたが、慌ただしさの原因の一つは、法人立ち上げに取り組んでいることです。自分にあまり似合わないことをしているなという気持ちもしますが、夏の暑さで弱った植物も元気になっていますし、もうひと頑張りしようという気持ちになっています。

   

ボランティア団体から法人へ

 私は、これまで10年以上にわたり、外国の子どもたちに日本語での学習をサポートするボランティア団体を運営し活動を続けてきました。小さいボランティア団体で、ゼミの学生などを中心にほそぼそ始め、力のある大人サポーターなどが参加してくれるようになり、ここまできました。社会的な認知も少しずつ高まってはきたものの、自転車操業で、小さいグループであることには変わりありません。周囲からこれまで何度か法人化することを勧められたこともありましたが、なかなか決意できないでいました。しかしようやく、これからこの団体を社会的に責任ある存在にしようかという気持ちになり、「一般社団法人」にすることにしました。それにはいくつか理由があります。

法人化を決心した理由:退職

 この決心の一番のきっかけはやはり大学の仕事を退職したことです。法人化するための手続きはかなり大変だし、逆に一回法人化した団体から任意団体に戻すのは非常に大変だという話も聞いていました。現職中は、いくら法人化することにメリットがあっても、余裕が無さすぎて本気で検討したことはありませんでした。しかし退職を機に時間に余裕ができ、リタイア後の社会貢献の一つの形として、法人化してこれまで仕事を通して得てきた日本語教育や外国の子ども支援のノウハウをきちんと形にして、社会に生かしていくことを目指そうという気持ちになってきました。

法人化を目指した理由:資金とゆうちょとSlackと

 ボランティア団体として活動するにも、ある程度資金が必要です。大学で勤務していたときは、参考にする書籍や文具などは研究費などで買うことができました。また最近は自治体などで大学生を地域貢献に参加させるための助成金があり、それに応募して、必要なお金を得ていました。しかし、本格的に助成金を得たり、行政からの業務委託を受けたりするには法人格を持っていることが条件になることも多く、残念な思いをしていました。

 また「ゆうちょ」問題もありました。ボランティア団体でも「ゆうちょ」の口座を持つことができますが、だんだん条件が厳しくなり、規約があることはもちろん、総会を毎年きちんと開いているかなどが問われるようになりました。そうなると、ゆるいボランティア団体では対応できなくなります。

 地味ですが、「Slack」問題も活動に結構効いてきました。Slackはご存知の方も多いと思いますが、プロジェクトを共にする人たちが一緒に使って、連絡や報告を残したり、必要な書類などを置いておくためのアプリです。とても便利でしかも無料で使えるということで、普及していました。私たちの団体もずっと便利に使っていました。ところがある時から、この利用が有料になりました。金額が高くなければ費用を払ってもいいかと思ったのですが、使う人数分の料金を毎月払わなければならないことがわかり、私たちの団体でも月に数万円から十数万円になることがわかったのです。これでは、とてもとても使えません。今は仕方なく無料プランで使っていますが、3ヶ月で情報が見られなくなるため、過去の記録を探すことには使えません。しかし、非営利の法人だと無料で使える場合があることがわかりました。こんなところにも、法人格があるかどうかが関わってくるのだなと、思い知らされた出来事でした。

法人化を目指した理由:著書の絶版

 今から30年以上前に、日本語教育の研究仲間の方とある教科書を出版しました。今までほそぼそですが売れ続けてきたのですが、さすがに内容も古くなってきたし、その仲間の方も近々退職することになり、そろそろ絶版にしようということにしました。この書籍は企業や大学から助成金を得て基礎研究などをした成果をもとに作成し、本が売れた印税で印刷してはまた販売するということを繰り返してきました。絶版にすることで、少しお金が手元に残りました。このお金の元手は助成金なので、家計費などに使うのは趣旨が違うのではないかと話し合い、仲間と団体を法人化するのに使おうという話になったのです。

法人化するメリットとは

 法人化しなくても活動の内容自体がそれほど変わっていくわけではなく、わざわざ法人化する必要はなく、任意団体として活動していくことでいいのではという迷いがずっとありました。しかしある個人に手続きや契約を依存することなく、法人として活動ができること、社会的な信用を得て、公益性のある補助金などを得やすくなるなどメリットがあります。

 特に外国の子どもの支援は、公的な意味合いも大きいですし、未来につながるプロジェクトです。このために、行政や企業などから補助金を得たり、業務委託を受けたりすることが容易にできるようになればメリットも大きいのではないかと考えました。

 また私自身が高齢で活動ができなくなるようなことがあっても、次の世代の人に引き継いでいくことができることも大事です。

 そんなことも考えて、法人化をする決意をして、行動を開始しました。ここから長いプロセスが始まりました。続きは次の投稿で記録も兼ねて記します。

 

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